ろんり塾～子どもたちにわかる喜びを～

3歳から、通いっている女の子、仮名Sちゃん。
「さよなら」「ばいばい」が言えない子でした。

一緒に遊んでいた小学生のお姉ちゃんが帰るとき、
「Sちゃん、ばいば~い」と言っても、
そっぽを向いて、無視をする状況が続いておりました。。。

私の観察と、
Sちゃんのお母さんの聞き取り調査から、

彼女には全く悪意はなく、
ただ、Sちゃんにとって、さよならすることは、
その都度、大きな悲しみが襲いかかってくるみたいで、
かなりストレスがかかるようで、
そのストレスから少しでも逃れるために、
彼女が編み出した方法が、完全無視！
しかも、プイっとそっぽを向くオプションもたまについていました。

でも、Sちゃんの行動自体は、お姉ちゃんを完全拒否。
不本意ながら、相手側の存在自体を否定する行動をとってしまっている。
お互いに心地よくないなと思い、私は介入しました。

まず、お姉ちゃんの方には、

Sちゃんは、あなたのことが嫌いなわけではなく、
ただ、さよならするのが苦手なんだ～
だから、今、練習中だから、できるようになるの待とうね～

と、私から事情を説明＆フォロー。


それから、

Sちゃんに対しては、さよならができるように、
無反応(無視)しないような行動をとれるように
ベイビーステップで練習。

・さよならの挨拶されたら、プイっとしない。
・さよならの挨拶されたら、うなずいてみる。
・さよならの挨拶されたら、お姉ちゃんの方を見てみる。
・さよならの挨拶をされたら、「うん」と声をだしてみる。

私の思いつく限りの、「無視」という状態にならない行動をやってみるよう、
Sちゃんを誘い続ける日々が続きました。

もちろん、私も無視されて、断れることは何度もありましたが、

できた日は、できたこを認め、
やろうとは思ったけど、できなかった日は、お姉ちゃんが帰った後に練習して、次の機会に備えたりを繰り返しました。

また、小学生のお姉ちゃんの方も事情が分かってからは、
Sちゃんの練習に付き合うかのように、
大半が無視されいたのに、
気にせず、帰るときは、「Sちゃん、ばいばい」という、言い続けていました。

そんなやり取りを積み重ねて、1年。。。
先週は、「Sちゃん、ばいばい」とお姉ちゃんが挨拶したら、
「お姉ちゃん、ばいば～い」と、Sちゃんはいえるよになっていました♪

あまりにも普通に、今までずっとそうだったかのような彼女たちのやりとりを
目の当たりにして、私は感動しました。

Sちゃんには、できないかったことが、できるようになった達成感
お姉ちゃんの方は、「頑張って努力している人をできるようになるまで、
気長に待ち続けた」というリアルな体験。

この経験は、彼女たちにとって、生きる糧になるに違ない！

と、私は思います。